~About the Song~

表題曲は、1971年にリリースされたローリング・ストーンズのアルバム『Sticky Fingers』の収録曲です。彼らがデッカ・レコードとの契約終了後に設立したローリング・ストーンズ・レコードからリリースされた初のスタジオ・アルバムです。シングルとしては、全米1位、全英2位を記録しています。

“Brown Sugar”は、黒人女性の生殖器をさす隠語で、奴隷制度が残る時代のアメリカで、イギリス人の奴隷商人が奴隷女性をレイプするというショッキングな内容の詩となっています。ミック・ジャガーとの間に子供を産んだ黒人歌手のマルシャ・ハントや、関係があった黒人歌手のクラウディア・レニアからインスパイアされて、作詞されたとされています。

~Translation~

Gold Coast slave ship bound for cotton fields
Sold in the market down in New Orleans
Scarred old slaver knows he’s doin’ all right
Hear him whip the women just around midnight
アメリカの綿畑に向かうゴールドコーストの奴隷船奴隷たちはニューオーリンズの市場で売られた
傷を負った奴隷商人の老爺は、商売が上手くいく事を分かっている。一晩中、彼が奴隷の娘を鞭で打っている音が聞こえるぞ
Brown sugar, how come you taste so good
Brown sugar, just like a young girl should

黒んぼの小娘や、なんて良い体してるんだよ
黒んぼの小娘や、若い娘はこうでなくっちゃ
Drums beatin’ cold, English blood runs hot
Lady of the house wonderin’ when it’s gonna stop
House boy knows that he’s doin’ all right
You should have heard him just around midnight
ドラムが鳴り響き、クールな英国人の血も燃え上がるんだ。主の妻は、いつ終わるのだろうかと悩んでいる。ハウスボーイは、自分は安全に切り抜けられると分かっている
お前も、アイツが一晩中やっているのを聞くんだよ

repeat※

Ah, get down on brown, brown sugar, how come you taste so good?
Ah, get down, get down brown sugar, just like a black girl should
跪いくんだよ、黒んぼの小娘や、なんて良い体してるんだよ
跪いくんだよ、黒んぼの小娘や、黒んぼはこうでなくっちゃ
Ah I bet your mama was a tent show queen
And all her boyfriends were sweet sixteen
I’m no schoolboy but I know what I like
You shoulda heard me just around midnight
お前の母さんはきっとエンターテイナーだったんだ。賭けたっていい。そして、周りにはピチピチの16歳の男の子達が付いていたんだろう
俺は学生なんかじゃないし、自分の好みも理解してるさ。お前は夜中に俺の声を聞く事になるんだよ

repeat※

I said yeah, yeah, yeah, woo!
How come you…how come you taste so good?
Yeah, yeah, yeah, woo!
Just like a…just like a black girl should
Yeah, yeah, yeah, woo!
俺は喘いだよ。あぁ、最高だ
なんて、なんて良い体しているんだよ
あぁ、最高だ
黒んぼの小娘や、黒んぼはこうでなくっちゃ
あぁ、最高だ

~First Impression~

個人的には、ローリング・ストーンズは苦手な部類に入ります。キース・リチャーズのギターは好きですが、ミック・ジャガーのネバっこい歌い方が苦手です。。。深入りをした事はないのですが、洋楽に触れていれば、有名バンドは嫌でも耳に入る機会が出てきます。表題曲は、僕がかすってきたストーンズの曲の中で、一番印象に残っている曲。有名な『(I Can’t Get No) Satisfaction』よりも個人的にはこっちなのかなと。

歌詞を読んでみると、ギョッとしてしまいました。メロディだけで聴いていた自分がアホらしく感じる程です。「これ、大丈夫なのか。。。」そう思わせる歌詞です。レイプを楽しむ奴隷商人の話を悲観的に描くのではなく、快楽に耽る奴隷商人側の目線でポジティブに描いています。不良バンドだったストーンズならではの詩なのかもしれません。

~Interpratation~

様々な解釈がなされている曲ですが、結論、欲望全開の男の叫びとして、片づけてしまうのが一番分かりやすいのかと思います。後に『Jump Back』のライナーノーツの中で、ミック・ジャガー自身が“Brown Sugar”の詩について下記のように語っています。

“The lyric was all to do with the dual combination of drugs and girls. This song was a very instant thing, a definite high point.”

「ドラッグ」と「女」についての曲だと、ミック・ジャガー自身が認めている訳です。ドラッグに関しては、ヘロインを意味しています。“Brown Sugar”は「精製前のヘロイン」のことを指す隠語でもあり、下記の一文などは、ドラッグに魅了された男の生々しい声として読めます。

“Brown sugar, how come you taste so good”

この曲に関しては、ストレートに不良の叫びだと、腹をくくるべきかと思います。しかし、それだけでは面白くないので、こんな解釈もあるよというレベルで載せてみます。ミック・ジャガーの人間性を否定したくないという方は、こちらの解釈で読みたくなるかもしれません。

◆ロックの進化を表現
アメリカの黒人音楽にルーツを持つロックをイギリス人の白人である自分達が進化させている。そんなクリーンな解釈もあるようですが、個人的には腑に落ちない。。。詩の中には一筋も光はなく、迫害を貫いています。とても文化の共鳴や昇華を描いたようには思えないです。

◆ロッカーとファンの関係
別記事として、ポリスの“Don’t Stand So Close To Me”を探っていた中での思いつきですが、ロッカーとファンの関係を暴いた社会的な詩かもしれません。そう考えると、下記の部分は、音楽活動と性的な高ぶりを重ねているようにも読めます。

“Drums beatin’ cold, English blood runs hot”

下記の部分は性的な意味に加えて、相手だけに音楽を聴かせる、というロマンティックな解釈も出来るかもしれません。

“You shoulda heard me just around midnight”

~Unclarified issues~

英語表現に関してではなく、なぜ、この曲が問題なく受け入れられているのか?そこが最も自分にとって疑問です。確かに音楽としては、カッコいい。特にギターは痺れます。ローリング・ストーン誌の「オールタイム・グレイテスト・ギター・ソングス100」では、5位に入っています。ただ、詩の内容はゲスの極みです。

性的な快楽を描いた曲は沢山あります。特に1970年辺りでは、それが、むしろ普通の事と言っても大袈裟にはならないかもしれません。しかし、レイプをポジティブに描く作品は明らかに異質と言えます。実際、中国では放送禁止になっているそうですが、アメリカ、イギリスで、しっかりとヒットしています。ライブでは盛り上がり、黒人女性がコーラスをしたりしています。歌詞は意味を持たないものになっているのでしょうか?分からない。。。

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